2010年11月8日月曜日

不定期連載企画 内燃機関の技術の向上とエコ 第四段 乗用車へのディーゼルエンジンの適用

こんばんは。勝手なことを書いていく不定期連載も4回目を迎えました。なるべく専門用語等は抜いているのですが、見直してみると読みにくい文章です。

さて、今回はディーゼルエンジンの高性能化について書きます。
前回も触れましたが、ディーゼルエンジンはデトネーションやノッキングに強く、ターボとの相性が良いと書きました。そもそも、デトネーションやノッキングとは何か、から話を進めてみましょう。
これらは基本的には制御できない、予期せぬ燃焼を言います。
もう一度4ストロークエンジンの動作に付いて確認すると、4ストロークエンジンは圧縮行程があります。これは文字通りピストンの上昇によりシリンダ内の空気が圧縮されることを指します。経験的に分かって頂けると思いますが、気体は圧縮されると温度が上がります。そのため、燃焼ガスを圧縮するガソリンエンジンでは圧縮の際に温度が上がりすぎて点火プラグのスパークよりも前に燃焼が始まってしまうのです。これは非常に良くない状態です。低回転、低負荷時であればエンジンがボッボッと大きく揺れるだけで済みますが高回転時であれば異常に温度が上がり、ピストンやシリンダヘッドが溶けたりします。
しかし、ディーゼルエンジンは空気のみを圧縮し、点火プラグの火花の代わりに燃料を噴射します。そのため、いくら筒内温度が上昇しても爆発することは無いのです。そのため、ディーゼルエンジンとターボチャージャーの相性が良いと言われています。
ターボチャージャーは、一種の過給器で簡単に言えばシリンダ内に無理やり空気(ガソリン車は混合気)を押しこむ装置です。日本では燃費悪化の代表格のように思われがちですが、排気の熱を有効利用し、効率を上げるための物です。
日本のターボ車の燃費が悪いのは、低い圧縮比にあります。元々ハイパワー車用にセッティングしているため、高回転時のデトネーションを避けるために圧縮比をさげています。しかし、セッティングを変え、最大パワーを求めなければ小排気量でそこそこパワフルなエンジンが作れ、結果として燃費の良いエンジンとなります。
基本的に、排気量は少ないほうが燃費の向上に繋がります。そもそもの重量が軽く作れますし。

さて、大きくそれた話を戻しますが、ディーゼルエンジンはターボチャージャーと組み合わされて小型で高出力のものが生まれてきました。もともとターボカーは高回転化には向いていませんので高回転に弱いディーゼルエンジンのデメリットも隠されます。むしろアイドリング回転付近でも十分なトルクを発生し力強い印象さえ与えます。
結果から言うと、ヨーロッパ車は現在ディーゼルエンジンで燃費の向上を狙うのがポピュラーです。日本のようにハイブリッド化するよりも先に、内燃機関の技術の向上による燃費の向上を狙っています。日本でもマツダや日産はどちらかというとこっちよりのスタンスです。僕個人としては好感の持てるスタンスです。

次回は、日本では何故ディーゼルエンジン車が売れないのか、また高性能ディーゼルエンジンの開発が遅れたのかについて書こうと思います。


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