2010年11月9日火曜日

不定期連載企画番外編 日本は産油国?

こんばんは。今日はちょっと意外なお話を紹介します。

テーマの通り、日本は実は産油国です。と言うと語弊がありますが、石油を輸出しています。これには複雑な事情が絡み合っているのですが、元を辿れば日本らしいお役所仕事が潜んでいます。

さて、この話にはまずガソリンや軽油などの石油は連産品と言う前提があります。
ガソリンはそのままの姿で埋まっておらず原油を蒸留して作ります。原油を大気圧で蒸留するとまず天然ガスができ、次いでハイオク、レギュラーガソリン、軽油、灯油…と次々に石油製品が産まれます。蒸留温度によりこんな感じで分けられます。ハイオクがレギュラーより高いのは取れる量が少ない事からです。最近は添加剤等で更に付加価値を付けたプレミアガソリン等もありますが。余談ですがハイオクはハイ・オクタンガソリンの略で、高温高圧下での自己着火性が低い(オクタン価が高い)、つまりノッキングのしにくさを持っていると言う意味です。
話を戻しますが、大気圧で蒸留された残りカスが重油と呼ばれる物です。なんとなくヘドロみたいな汚い物を想像してしまいますが、減圧し更に蒸留すれば軽油や灯油と同程度の燃料が得られます。
ここでやっと本題に入ります。日本ではガソリン以外の燃料は実は余っているのです。ガソリンの消費量が多いため原油を相当量輸入していますが、それ以外の副産物は使用されず、結果として投げ売りする形でお隣の国なんかに売っています。
なぜ余るのか。それはいろいろと事情がありますが、一番大きな原因は火力発電所の稼働率低下と家庭用燃料事情にあります。
まず、近年の偏ったエコロジー論により火力発電所は単なる悪者扱いを受け、稼働率を下げています。確かに二酸化炭素を直接出す訳ですからまぁ納得出来ます。火力発電所は重油を燃やして電気を取り出す施設です。が、ここで使われなくなった燃料が余っているのです。それならば上手く蒸留し、ディーゼル燃料として利用出来ない事も無いのですが、そこは日本、お役所仕事が追い付かず新たな規格の作成が遅れ現段階での導入は不可能です。
また、ヨーロッパ等では家庭用燃料に重油を使う国が多いです。しかし日本では灯油を贅沢に使っています。灯油は軽油とほぼ同じ性質ですので、ディーゼル車に利用しても余り問題無く走ります。以前話題になった違法軽油は実は灯油にちょっと手を加えただけのものです。

日本の石油利用を
ガソリンに改質軽油を、ディーゼル車に灯油の上等なものを
家庭用燃料に重油の減圧蒸留した重油を
それぞれ混ぜて利用する事で値段を下げられます。原油価格高騰だの暫定税率だの環境税だの言う前に、まず価格を下げられる方法があるのですから、先にそちらを行うべきだと思います。

と思っていましたが、少しずつそんな動きも見られていました。

締まりの無いオチになりましたが、エコロジーを語る前に現状を把握してもらいたいとニュース見ながら思って書いた話でした。

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